ノンアルコールでも楽しめる酒蔵へ
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旅と地酒
スイーツが楽しめる酒蔵
日本酒に加えて酒粕や自家製果実酒を使ったスイーツを提供する酒蔵があります。お酒が飲めない同伴者でも楽しめます。
諏訪市の宮坂醸造には、酒粕を使ったワッフル「MASUMI WAFFLE」や「酒粕飴」、自家製の焼酎ベースの梅酒を練り込んだ「梅酒のパウンドケーキ」などがあります。ほかにもショップ限定のスイーツもあるほか、バレンタインには日本酒などを練り込んだチョコレートも発売。蔵元ショップセラ真澄では、試飲のほかスイーツやお酒のある食卓を賑わしてくれる器や食べ物・調味料も販売しています。
同じく諏訪市の舞姫で2020年に新発売となったのは、純米大吟醸の酒粕を練り込んだ「雄町のジェラート」と「美山錦のジェラート」。舞姫のショップ限定の販売です。
長野県内でも佐久市は酒蔵とスイーツ店が多いまちとして知られています。そこで注目したいのが、橘倉酒造が地元人気洋菓子店「ピータース」とコラボした「日本酒のマカロン」。人気商品で品切れの場合もあるのでご注意ください。ほかにも自家製甘酒を煮詰めた「甘酒のコンフィチュール」もおすすめ。酒蔵併設のアンテナショップ「酒楽」で、スイーツのほか日本酒、漬物・甘酒なども販売しています。
水尾で知られる飯山市の田中屋酒造店では、その日本酒を使った「特別本醸造水尾ケーキ」が同じ通りに建つパティスリーヒラノで製造販売されています。ヒラノは30種類以上のケーキのほか焼き菓子も豊富。常に来店者で混み合いますが、イートインスペースもあります。
松本市の大信州酒造ではバレンタインの季節限定でチョコレートを発売しています。純米吟醸酒、りんご梅酒、大吟醸酒粕を練り込んだ3酒類の詰め合わせ。日本酒好きにも、日本酒が苦手な人にも楽しんでいただける上質な味わいです。毎年変わるパッケージにも注目です。
絶品甘酒が味わえる酒蔵
「麹」を使った甘酒も、醸造蔵ならではのノンアルコール飲料です。最近では多くの酒蔵で甘酒を製造しているのでハンドルキーパーにはおすすめです。なかでも特徴的な甘酒を提供している酒蔵をご案内します。
上田市の若林醸造はとくに甘酒のラインアップが充実している酒蔵です。四季折々の果物を加えた「四季の甘酒」のほか、信州・木曽に根付く郷土食「すんき漬け」から発見された植物性の乳酸菌・ラブレ菌を加えて再発酵した「ラブレ菌発酵さわやか甘酒」も。ラブレ菌は胃酸への耐性が高いことから腸に届いてその働きをよくするとも言われているそうです。プレーンの「白の舞」のほか、りんご酢やクエン酸を加えた「さくらの舞」のほか、「トマト」「ブルーベリー」「キウイ」という5種のラインアップです。
ほかにラブレ菌発酵の甘酒を使った「ラブリィスムージー」も。ケールとりんごジュースを加えた「グリーンスムージー」、ブルーベリーとりんごジュースを加えた「ベリースムージー」の2種があります。甘酒が苦手という人にもぜひ試していただきたい品揃えです。
かわいらしいパッケージとともにさまざまな甘酒を提案しているのが、伊那市の仙醸です。プレーンの「黒松仙醸 無添加あまざけ」のほか、発芽玄米を使用した「黒松仙醸 発芽玄米あまざけ」、より酸味が際立つ白麹を使った「黒松仙醸白麹あまざけ」、さらに、加熱処理していない甘酒をスティックサイズにして冷凍でお届けする「仙醸 生あまざけ」も。凍ったままシャーベットのように食べても、お弁当の保冷剤がわりにしてランチのデザートにしてもよし。生だけに200以上の生きた酵素が身体を元気にしてくれます。
長野県が主催する第1回甘酒鑑評会で高評価を得た甘酒といえば、大町市は北安醸造の「北安大國 蔵づくりあまざけ」。酒造好適米・ひとごこちの麹のみでつくっています。甘さと旨みが際立つものの、あと口はすっきり。しっかりと残った粒感の割にさらりとしていて飲みやすい甘酒です。
旅のお土産選びにもいいショップが楽しい酒蔵
多くの酒蔵は直売所を併設していますが、試飲や試食が豊富に用意されていたり、ご当地のお土産が購入できるなど、とくに個性あふれるショップを併設する酒蔵をご案内します。
長野市、善光寺門前に位置するよしのやは売店のほか、酒蔵見学コースも用意しています。売店では日本酒から梅酒などのお酒のほかに、甘酒や醤油豆、味噌、粕漬け、味噌漬けなどのオリジナルの食品まで全種類の商品が試飲・試食できます。アルコールが飲めなくても、さまざま味くらべをして好みの商品をお土産に選びましょう。酒器なども販売しています。
小布施町の桝一市村酒造場では木桶仕込みの純米酒・純米大吟醸生酒を醸造しています。「白金」「碧い軒」「鴻山」「スクウェア・ワン」などの全7種類を醸しますが、自社のオンラインショップ・直営店舗の桝一本店でしか手に入れることができません。直営店ではノンアルコールの甘酒もあり、季節によっては一升枡の酒粕ケーキを予約購入することができます。隣接して和菓子店・カフェ・レストランがあるほか、周辺には葛飾北斎の美術館「北斎館」などもあり、一帯を観光で楽しめます。
上田市の沓掛酒造には直売店・郷(さと)の蔵があります。1915(大正4)年築の土蔵を改修したもので、全商品をラインアップするほか、季節に応じてりんごや味噌などの農産物や加工品、上田紬などの特産品も揃えます。
池田町の大雪渓酒造は、かつて蔵元が暮らしたという築150年以上の豪壮な主屋を曳家して2016年にアンテナショップ「花紋大雪渓」を開きました。もとの材を生かした改修で圧巻の古民家。日本酒のほか、Tシャツやパーカー、前掛け、トートバッグなど、酒蔵限定のグッズや安曇野の名産品を数多く取り揃えるので、旅のお土産選びにおすすめです。道路をはさんでストーブ&クラフトショップ山風舎やイタリアンレストランあ・うんもあります。